FP大家さん 不動産投資入門

地価公示価格が上がったと喜んでよい? ~ 地価公示価格と不動産税の関係 ~


前2回で「地価公示価格が上がったと喜んでよい?」と聞かれた時の返答をお話しています。
  1. 地価公示価格と関連用語
  2. 理由1 地価公示価格と実際の売買価格は違う?
  3. 理由2 近々売買しますか?
今回は、理由の2番目「近々売買しますか?」です。

近々売買しますか?

投資上の不動産の価値

投資上の不動産の価値は大きく分けると次の3種類です。

  1. 資産として利用する時の価値
  2. キャピタルゲインの基準
  3. インカムゲインの基準

資産として利用する時の価値

「不動産は資産なのだから普段から利用している・・・」と誤解されそうなので、最初に例をお話します。
ローンの担保とする場合です。
追加で不動産を購入したり、修繕費用の支払いなどで、ローンを利用する場合、担保が必要となる場合もあります。
このような場合、担保価値を計算する時に、ディスカウントキャッシュフロー(DCF)であれば、地価公示価格は関係ありません。
しかし、銀行などによっては、土地の価値を計算する時に地価公示価格や路線価、固定資産税評価額などを基準にして計算することがあります。
この場合、基準となっている地価公示価格が上昇すれば、担保価値も向上します。
ローンを借りる場合には「地価公示価格が上がったと喜んでよい」と言えます。

キャピタルゲインの基準

キャピタルゲインは、不動産投資の利益でお話をしているように、「売買することによって生じる利益(損失)」です。
前回「地価公示価格が変わっても、同じように所有物件の価値が変わるとは限らない」とお話をしました。
実際の売買価格は、地価公示価格が反映されるとは限らないです。
このため、売買する時には、一概に「地価公示価格が上がったと喜んでよい」と言えません
良いかもしれないですし、悪い(というより無関係)かもしれません。

インカムゲインの基準

インカムゲインは、不動産投資の利益でお話をしているように、「保有することで生じる利益(損失)」です。
「インカムゲイン=家賃などの収入-税金などの諸経費」で計算できるともお話しました。

地価公示価格が上がると確実に言えることが一つあります。
それは、税金が増えるということです。
この場合の主な税金は、固定資産税と都市計画税です。
この計算の基礎となる固定資産税評価額は、地価公示価格と同方向(上昇すれば上昇する)に動く傾向があります。
地価公示価格と関連用語」の固定資産税評価額のところでお話をしたように、3年に1度ではあるのですが、地価公示価格が上がっていれば、固定資産税評価額も上がります。
固定資産税評価額が増えれば、当然、計算結果である固定資産税などが増えるのです。

しかし、全てと言ってよいほど多くの場合、地価公示価格が上がったからと言って、すぐに家賃を値上げすることはできないでしょう。

先ほどのインカムゲインの式を見ればわかるように、結果的に、利益が減る(場合によっては損失が発生する)のです。
「地価公示価格が上がったと喜んでよい」と言えません
どちらかというとうれしくないのです。

これが、最初にお答えした「うれしくない」という理由です。

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