FP大家さん 不動産投資入門

不動産投資の利益 ? キャピタルゲインとインカムゲインについて ?


投資用語としてのキャピタルゲインとインカムゲインについては、調べるとすぐにわかると思います。
今回は、この違いについて考えてみましょう。

キャピタルゲインとインカムゲインについて

意味は?

違っていると、わかり難くなるので、最初に、定義をお話します。

用語意味
キャピタルゲイン資産を売買することによって生じる利益
インカムゲイン資産を保有することで生じる利益

不動産投資ではどうなの?

不動産投資の場合、代表的な収入は賃貸した時の家賃です。
家賃は、所有することで生じる利益なので、インカムゲインになります。
株などの他の投資商品にはない、安定した収入を得ることを目的にして、不動産投資されている方が多いので、どうしてもこちらが目立ってしまいます。

それでは、キャピタルゲインは無いのでしょうか?
無いかというとそうでもありません。

不動産を売却すれば差益が生じることもあるからです。
少し前までは不動産神話が崩壊などと言われ、売却益の話はほとんど、というよりあり得ない・・・と言うような状況でした。
このため、不動産投資というと、インカムゲインの代表例にされていました。
ところが、2017年現在、東京23区などでは、値上がりしているところも出てきましたので、売買益が発生することもあります。
このため、キャピタルゲインもないお話ではなくなっています。
この状況は、オリンピックまでだとか、その前には崩壊するとか・・・まことしやかにささやかれていますが、今回のお話の趣旨とはなれますので、このお話は止めておきます。

不動産が値下がりしているときにはキャピタルゲインやインカムゲインって考えなくて良いの?

不動産投資家とお話していると、誤解があることもあるので、一度利益について整理したいと思います。

利益とは?

不動産投資も投資である以上、利益の考え方は一緒です。

利益は、以下の関係です。

キャピタルゲイン=売却価格-売却諸経費-購入価格-購入諸経費
インカムゲイン=利子や家賃などの収入-税金などの諸経費
利益=キャピタルゲイン+インカムゲイン
  =(売却価格-売却諸経費-購入価格-購入諸経費)+(利子や家賃などの収入-税金などの諸経費)

シンプルで簡単な関係です。
難しいことは書いていません。

それでは、不動産が値下がりしているときに考える必要性は?

「不動産投資で利益を得ていますか?」と聞くと、多くの不動産投資家は、インカムゲインを元に回答されます。
すなわち、「経費より家賃収入があるから儲かっている・・・」「空室が多くて損している・・・」「リフォーム費用がかかって損している・・・」と言うような感じです。
キャピタルゲインも合わせないと、利益にならないはずなのに。

これには理由があります。
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、以下のように、忘れてしまうとか、そもそも考えないとか、が理由です。
  1. 現在の売値がわからないからキャピタルゲインは計算しない(できない)・・・
  2. 売る気が無いからキャピタルゲインはありえ無い・・・
実際に売るまでわからないということは正しいのですが、そうでない時に問題になることがあります。
代表例は相続時です。
「相続財産に税金がかかるので、不動産投資を!」というお話があります。
ただ、投資である以上、利益が出るかを考えないといけないのですが、その部分が抜けていることが多いです。

相続税対策の不動産投資については、他の問題・課題もあるので、別の機会でお話します。
ここでは、売却しなくても、利益を考えないといけないことがあることをわかっていただければ良いです。

どういった時に困るの?

それでは、不動産投資を行う上で、キャピタルゲインを考えていないと、どういった時に困るのでしょうか?
キャピタルゲインの源泉は、不動産の売却価格にあります。
このため、ここからは、売却価格を考えることを主眼にお話します。

2つほど例に挙げてみます。
  1. 担保にしたい時
  2. 現金化したい時
担保はお金を借りる時ですから分かりやすいですね。
不動産投資の場合であっても、他の不動産を買う時の頭金や諸経費の支払いなどするため、他の物件の大規模改修の支払など、現金化したいことがあります。
さて、どのようなばあいにこまるのでしょうか?

担保にしたい時

銀行など金融機関からお金を借りる場合、担保にする不動産の価値を考えます。
この時、金融機関は不動産を持ちたいわけではないので、売却して貸したお金が回収できるか?を考えます。
何かあって返済ができなくなれば、競売(売却)されてしまいます。
その時、キャピタルゲインが無い=売却益が出ない不動産であれば、金融機関は必要なお金を返せないかもしれません。
競売されるということは、インカムゲインもほとんどない、場合によってはマイナスなのではないでしょうか?
この場合、不動産が無くなって借金だけが残るという状態になります。
不動産投資したのに借金だけ残るのであれば、それまでどうであっても、投資としては失敗と言えるのではないでしょうか?

現金化したい時

現金化はそのまま、売却時のお話です。
売却すればキャピタルゲインがはっきりしますから、投資として成功か失敗かがはっきりします。
たとえ損になっても、必要なお金が得られる売却でしたら良いのですが、そうでなければ、困ることになるのではないでしょうか?

インカムゲインのみ考えると、売却価格の向上(=キャピタルゲインを得るための投資)には、目が向かなくなります。
このように、不動産投資も投資であるので、キャピタルゲインを考えない・・・というのは、失敗に近づくことになりそうです。

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