FP大家さん 不動産投資入門

医療保険の保険金の考え方


医療保険の基本は、
保険の給付金=病院への支払い(療養費)-収入(傷病手当金・高額療養費)+家族の生活費-家族の収入
です。

医療保険の保険金を考える上で必要になるポイントは、上記の式に出てきた通り

        
  1. 高額療養費     高額になった医療費が帰ってきます。
  2. 健康保険・共済組合の傷病手当金     サラリーマン・公務員は有給休暇が無くても補填が受けられます。
  3. 家族の生活費     自営業の方は特に重要。
  4. 家族の収入     自営業の方は特に重要。

です。

それぞれ見ていきましょう。

  1. 高額療養費
    以下の金額以上の分を支払った場合に、戻ってくる制度です。
    同月内同一医療機関が原則なので、月末入院や複数病院の場合、受けられない場合があります
    ※入院の場合は、先に手続きができれば、支払い金額自体を抑えられることがあります。
    区分 基準 金額
    上位所得者 被保険者の標準報酬月額が53万円以上 (10割相当医療費-500,000円)×1%+150,000円
    一般 被保険者の標準報酬月額が53万円未満 (10割相当医療費-267,000円)×1%+80,100円
    低所得者 市区町村民税の非課税者等 35,400円(一律)

    (例)一般の方が、100万円の医療費(自己負担は3割なので、30万円)支払う場合

    (1,000,000円-267,000円)×1%=7330円

    これに+80,100円なので、 高額療養費を考慮した支払額は87,430円となります。

  2. 健康保険・共済組合の傷病手当金
    休業中の生活保障として賃金(標準報酬日額)の3分の2が支給されます。
    このため、サラリーマンや公務員は、無給になることは無いです。
    ただし、同一の傷病事由についての支給期間は最長1年半が限度ですので、長期の場合には注意しないといけないです。
    医療が発達しているので、ほとんどのケガや病気の場合、カバーできるようです。

    国民健康保険の方(主に自営業の方)は上記の傷病手当金が無いので、お店などを開けない場合、無収入になる可能性が高いです。
    このため、医療保険の給付金でまかなうのであれば、病気の療養のためだけではなく、生活費にするため高めに設定する必要があります。

  3. 家族の生活費
    病気・怪我をされた方の収入でまかなわれているもの全てです。
    食費や住居費、学習費など、普段必要な金額のほとんどが掛かってきます。

  4. 家族の収入 生活費にも関係しますが、家族に収入がある場合、その分を引くことができます。
    ただ、看病などで、収入が減る場合があるので、看病することになると考えるのであれば、最初から割り引いておく必要があります。

では、実際にいくら必要なのでしょうか?
        
  1. 高額療養費
    療養費は保険が使える診療であれば、よほどのことが無い限り、10万円を超えることは無いでしょう。
  2. 健康保険・共済組合の傷病手当金
    標準報酬日額が重要ですね。
    これを元に計算できますので。
    実際には保険組合により異なるので、概算だけでも計算してみましょう。
    全国健康保険協会(いわゆる協会けんぽ)の場合で、概算計算してみます。


    保険料率は大体9.5%(平成23年度)となっています。

    保険料が月額1万450円の方の場合

        
    1万450円÷9.5%=11万円(月額)

    となりますので、日額は、
        
    11万円÷30日=3666円
                       ≒3670円(日額)

    となります。
    これの3分の2ですから、
        
    3670円÷3×2=2446円
                       ≒2450円(日額支給額)
    となります。

    1日当たり大体2450円貰える計算になります。

    ちなみにこの標準報酬日額になる方の給料は10.7万円 ~ 11.4万円と幅がありますので、30日分として給付される場合は、大体以下のような給付率になります。

    給与 10.7万円 11.4万円
    給付率 68.7% 64.4%

    他の場合でも、そこまで変わりません。
    厳密には待機期間と呼ばれる期間があるので、最初の月は減りますから、給与の60%程度と考えればよさそうです。

  3. 家族の生活費
    お見舞いの品や、入院する場合の準備など、突発的に必要になる分があります。
    それ以外については、サラリーマンや公務員の方などは、通常通りです。
    自営業の方は注意が必要です。
    長期間の療養が必要で、家族を含めた他の方ではお店が開店できない場合、仕入れてある在庫を処分する必要が出てくる場合があります。
    その場合、在庫処分の費用が別途必要になってきますので、収入保障など、医療保険以外の保険を検討することが必要になります。

  4. 家族の収入
    こちらもサラリーマンや公務員の方などは、通常通りです。
    自営業の方は注意が必要です。
    家族を含めた他の方ではお店が開店できない場合、家族も収入が得られないため、無収入になります。

上記を元に、最初に示した式に当てはめて、計算すると、必要な保障がわかります。

給付金=病院への支払い(療養費)-収入(傷病手当金)+家族の生活費-家族の収入

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