リスクついて考えよう
- 投稿日:2017年11月17日
- カテゴリ:FP大家の投資雑記
今回は、投資をする場合について回るリスクについて考えてみます。
目次
リスクとは?
リスクは危険ではない?
「投資はリスクがあるから危険・・・」と言われることもあります。この場合、「リスク=危険」という考え方が前提になっています。
英単語の意味としては正しいのですが、下記のように、投資の場合は異なります。
リターンとは期待される収益。リスクとはその収益が実現されない可能性。
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
このように「可能性」であって、「危険」ではありません。
リスクはリターンの源泉?
期待される利益(=リターン)が小さければ、実現されない可能性(=リスク)も小さくなるのは、想像できるのではないでしょうか?逆に大きなリターンを得るためには、その分、大きなリスクを取る必要があることになります。
勘違いが多いので、気を付けなければならないのは、以下の点です。
- 大きなリスクを取ったからと言って、大きなリターンが得られるわけではないということ
- 小さなリスクでも、大きなリターンが得られる可能性はあるということ
大きなリスクを取ったからと言って、大きなリターンが得られるわけではないということ
リスクとは、収益が実現されない可能性です。この「可能性」、どちらかというとマイナス(=悪いこと)のイメージです。
このため、マイナスの可能性が大きくなったからといって、プラス(=良いこと)である収益が増えること(=大きなリターンが増えること)にはつながりません。
しかし、先ほどお話したように、大きなリターンには、大きなリスクが必要であることも確かです。
あくまで可能性の問題であって、リスクを取ったらリターンが増えるのではないのです。
投資をしている方のお話を聞いているとこの点を勘違いされている方が多いので、注意が必要です。
「ハイリスク・ハイリターン」という言葉があり、誤解を広げているような気がします。。。
小さなリスクでも、大きなリターンが得られる可能性はあるということ
「ローリスク・ローリターン」という言葉に代表されるように、小さなリスクでは大きなリターンは得られないと言われています。一つ前のお話でも、大きなリターンには大きなリスクが必要とお話しています。
一見矛盾したようなことを言っていますが、これにはカラクリがあります。
このカラクリは、投資環境です。
実際に起こったことを例にお話します。
国債や銀行預金・郵便貯金などの元本保証される範囲での預貯金などは、ローリスクの代表格です。
この内、日本においては、預貯金で、実際に大きなリターンが得られました。
それは、バブル崩壊後の金利が高いうちに長期の定期預金をしていた人たちです。
高金利で定期預金を長くで行っていた場合、定期預金が期限切れで償還されると、2倍近くになっていたことがあります。
2倍が「ローリターン」と言われることは余りないと思います。
どちらかというと「ハイリターン」と言ってもよいような気がします。
このため、「ローリスク・ハイリターン」という夢のような現実が起こったことになります。
バブル崩壊とその後の長期停滞という特殊な要因もありますので、異論反論は出てきてもおかしくないです。
ただ、このような例もあるので、「ローリスク・ローリターン」が絶対とは言い切れないというのが実感です。
反論としてあるのは、長期の定期預金が本当に「ローリスク」だったか?ということです。
銀行がつぶれる時代でしたから、「ローリスク」と言わないのではないか・・・と言う反論です。
また、通貨としての円が本当に大丈夫なのか?と言う反論もあります。
通貨としての円について疑問を持ち出すと、何を持って「リスク」を判断したらよいか?という基準が問題になります。
反論については、今回の趣旨から外れますので、お話しませんが、「リスク」という言葉を考える上では、良い例になりますので、考えてみてはいかがでしょうか。
「リスク」を基準に考えると誤解する
ここまでお話しましたように、「ハイリスク・ハイリターン」「ローリスク・ローリターン」のように、リスクを基準にすると、誤解しそうです。最初にお話した定義のように、「リターン」を基準にして「リスク」を考えないと、どこかで「リスク=危険」となってしまいます。
今回は「リスク」について考えてみました。
多くの人がリスクについてお話しています。
「投資は危険」とそこで考えを止めるのではなく、いろいろはお話を聞いて、「リスク」について、一度考えてみてはいかがでしょうか?
「投資」に対する考え方が変わるかもしれません。
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