累積投資や定期積立などと呼ばれる分散投資は?
- 投稿日:2017年11月10日
- カテゴリ:FP大家の投資雑記
目次
累積投資や積立投資と言われるもう一つの分散投資
リターンは変わらずにリスクが減ると言われている「分散投資」。前回は、金融機関のセールストークで良く使われる、投資対象の分散について、お話しました。
今回は、もう一つの分散投資である、「時期を分散する」についてお話します。
おさらい・・・分散投資の方法
前回のおさらいとして、分散投資について、特に分散する対象についてお話します。前提条件として、投資する資金は同じですので、対象は大きく分けると、下記の2つになります。
- 対象を分散する
- 時期を分散する
対象を分散する
前回お話しましたので、そちらをご覧ください。時期を分散する
投資方法
投資を一度にせず、購入する時期を分けて購入する方法です。効果
金額が一定であれば、時期を変えて投資対象に投資するので、投資対象が値下がりした時は多く、値上がりした時は少なく購入するので、購入価格が低い方に安定するというものです。使われ方
セールストークで使われないと言いましたが、「分散投資」と言わずに、別の言い方をします。「ドルコスト平均法」です。
セールストークでは、効果の部分でお話した、購入価格が安定することを強調して、投資を始める人のハードルを下げています。
株式であれば「るいとう」、預金や投資信託では「定期積立」や「積立投信」などと呼ばれる商品です。
最近では、「積立NISA」などもあります。
投資時期を分散する「分散投資」って、どうなの?
株などの価格が変動する投資対象では、安い時に買って、高い時に売る・・・が良いのはわかりやすいですね。ただ、実際にこれを実行するのは、難しいです。
株式投資をされている方でしたら、下記のような経験があるのではないでしょうか?
- もっと値上がりしたのに早く売ってしまった・・・
- 買った時より値下がりして損してしまった・・・
プロと言われる人でも、失敗をしていることが多々あります。
決算期などに証券会社や銀行などの金融機関が投資の失敗で損失を出したとニュースになることもあるくらいです。
なかなか一般の方が複数回連続でうまくいくことの方が少ないのではないでしょうか。
投資時期を分散する「分散投資」についても、いろいろな人が、効果があるとか効果が無いとか言われています。
考える前提で調べてみると、実際、投資対象を考えずに投資しているのではないか?と疑問を感じます。
疑問の内容を考えてみます。
- 効果を勘違いしていませんか?
効果を勘違いしていませんか?
効果のところで、「購入価格が低い方に安定する」と書きました。これ、考えてみると、投資対象に前提条件があるのです。
セールストークではそこまで言いませんが、ここではお話していきます。
以下のような投資対象には不向きです。
- 価格が下落を続けている場合
- 短時間で値下がり・値上がりする場合
- 突然無価値になる場合
価格が下落を続けている場合
この方法の効果は、あくまで「低い方に安定する」です。当たり前ですが、価格が高くならない限り、高く売ることはできません。。。
投資する時に忘れられがちなのが、この「価格が高くならない限り」という点です。
いくら低く安定しても、高くならない限り、損失は発生し続けるのです。
このため、しばらく高くならないような対象に投資しても、思っているような効果はでません。
短時間で値下がり・値上がりする場合
購入するタイミングで値下がりしている場合は良いですが、値上がりしている場合は高くなります。このような場合、購入時が高い時ばかりになる可能性もあるので、効果が出ないこともあります。
突然無価値になったり、短時間で値下がり・値上がりする場合
会社の倒産のような、投資対象が突然無価値になる場合、いくら「低い方に安定する」としても、効果はありません。株式の場合、業績の悪化などで、株価が下落を続けるので、1番目にあてはまる場合もあります。
そうではなく、突然倒産するような場合です。
投資したお金は帰ってきませんから、価格が低くても、効果はありません。
むしろ、複数回投資した分、費用が多く掛かっている場合は、マイナスです。
購入価格が低いので、一度の投資で同じ金額を投資しているよりは少ないかもしれませんので、「低い方に安定する」効果はあったかもしれません。
結果的に損しているので、これを効果があるとは言いたくはないですが・・・
時期を分ける以上、同じ投資額だとしても、時間はかかります。
このため、投資対象の選定時には、次の言葉を忘れないようにしましょう。
その投資対象は、長期的に値上がりしますか?
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