不動産投資の安全率 ~ DCR(DSCR)について ~
- 投稿日:2019年07月03日
- カテゴリ:FP大家の投資
目次
不動産投資の安全率
安全率って?
不動産投資での最大の失敗は、支払いができなくなることです。多くの場合、自己資金のみで不動産を購入せず、金融機関の借入金を利用します。
このため、返済が必要になってきます。
不動産投資では、返済には家賃収入を充てることが通常ですから、この返済と家賃収入の割合で安全かどうかを見ようとしました。
それが、DSCRやDCRと呼ばれる、借入金の利払いに対する安全性の指数です。
DSCRは、「Debt Service Coverage Ratio」の頭文字をとった単語で、す。
DCRは、DSCRのSを省略した「Debt Coverage Ratio」の頭文字をとった単語です。
どちらも同じ式で、次の式で計算します。
返済前の収入
DSCR=------×100(%)
返済総額
返済総額=(借入額+支払利息)×12回(※)
※の部分
返済総額は、年の返済の総額です。金融機関への返済は、一般的には、1月毎です。
このため、1年の支払い回数である12回としました。
返済前の収入
返済前の収入については、「その利回りって本当?」でお話をしたように、税金や手数料などを含めるか含めないかという話があります。計算式としてはどちらも成り立つのですが、安全率を計算するのですから、甘くしても意味はありません。
税金などの諸費用を含めた方で計算しましょう。
安全率はどの位が良い?
安全率は投資家それぞれでご判断ください・・・では話が終わってしまうので、二点だけお話をしておきます。最低でも100%は絶対必要
安全率は、100%を超えるようにしましょう。100%ないということは、家賃収入で返済ができないということです。
返済しないと、金融機関から競売にかけられてしまいます。
競売の場合、不動産は安く売られる事がほぼ100%です。
競売は色々な制約があるため、安くないと売れないからです。
これでは、何のために投資しているのかわからなくなります。
100%であれば良い?
それでは100%で良いかというと、そうでもありません。不動産投資には絶対ある空室があるからです。
空室期間があると、分子の収入が減ります。
空室がない前提での計算式ですから、状況によっては空室期間中は100%ならないことになります。
このため、空室を考慮した割合分、大きな値にしておかなければいけません。
どの位多ければ大丈夫か?というのは、立地や設備などによりことなります。
ということで、最低でも100%は必要で、それ以上はそれぞれでご判断ください・・・となります。
目安というか計算例
2年ごとの更新で、リフォームなどのため次の入居者が決まるまで空室期間が2ヶ月ということであれば、毎年1ヶ月の空室期間ができます。これを当てはめると次のような式になります。
(家賃×11回-諸費用×12回)
DSCR=------------------×100(%)
(借入額+支払利息)×12回
諸費用は空室であっても支払ことがほとんどなので、12回のままで計算しています。
タグ:不動産ローン, 不動産投資, 投資の考え方, 投資全般, 支払と費用, 税金
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